Slackの無料プランはユーザー数に制限がなく、何名でも無料で使えます。人数を理由に有料化を迫られることはありません。

一方で最大の制約は「時間」です。メッセージとファイルは投稿から90日を過ぎると閲覧・検索ができなくなり、さらに1年が経過すると削除されます。この2段階の違いを理解しておかないと、必要になったときに取り返しがつきません。

無料プランの制限一覧

制限項目無料プランの内容
ユーザー数無制限(何名でも可)
メッセージ・ファイル履歴直近90日分のみ閲覧・検索可能
データの保存期間最大1年(経過後は削除)
ファイルストレージ5GB(ワークスペース全体)
アプリ・連携ツール数最大10個
ハドルミーティング(音声・ビデオ)2名まで(1対1のみ)
Slackコネクト(社外との連携)1対1のダイレクトメッセージのみ
ワークフロービルダー(自動化)利用不可(プロプラン以上)
canvas・リスト利用不可(プロプラン以上)
ワークスペース数1つ

※ 2026年8月14日にSlack公式の料金プランページで確認した内容です。仕様は変更される場合があるため、最新は公式サイトでご確認ください。

履歴は2段階で消える(90日と1年)

ここが無料プランで最も誤解されやすいポイントです。「90日で消える」と一括りにされがちですが、実際には性質の異なる2つの段階があります。

投稿から90日
閲覧・検索ができなくなる(データは残っている)
90日を過ぎたメッセージやファイルは、画面上に表示されず検索にもヒットしなくなります。ただしこの時点ではデータ自体はSlack側に保持されているため、有料プランにアップグレードすれば再びアクセスできます
1年経過
データそのものが削除される(復元不可)
Slack公式のデータ保存ポリシーでは、フリープランのデータは1年後に削除されます。ここまで来ると有料プランに切り替えても戻りません。有料プランではデフォルトで永続的に保持され、設定変更も可能です。

つまり「あとで必要になったら課金すればいい」が通用するのは1年以内だけです。業務マニュアル、取引先とのやりとり、意思決定の経緯などをSlack内だけに置いているチームは、1年を境に社内のナレッジが物理的に失われます。

しかも厄介なのは、この損失に「必要になったときに初めて気づく」という点です。日常業務では困らないため、問題が表面化したときにはすでに手遅れになっています。

無料 vs Pro 比較表

機能無料Pro(¥925/月・年払い)
メッセージ・ファイル履歴90日✔ 無制限
データ保存最大1年で削除✔ 永続保持
ファイルストレージ5GB✔ 10GB/ユーザー
ハドルミーティング2名まで✔ 50名まで
アプリ連携10個✔ 無制限
ワークフロービルダー✔ 利用可
canvas・リスト✔ 利用可
Slackコネクト1対1のDMのみ✔ グループ・共有チャンネル
カスタマーサポート✔ 年中無休24時間

プロプランの料金は年払いで1ユーザーあたり月額925円、月払いで月額1,050円です。5人のチームなら年払いで月4,625円、10人なら月9,250円が目安になります。

※ 価格は2026年8月14日にSlack公式で確認した情報です。

無料プランで使い続けるコツ

無料プランのまま運用する場合、鍵になるのは「消えて困る情報をSlackの外に出しておく」ことです。

無料プランを最大限活用するコツ
  • 重要な決定事項・議事録はNotionやGoogleドキュメントに転記して保存する
  • ファイルはGoogle DriveやDropboxにアップロードし、Slackにはリンクを貼る(実体が外部にあれば90日後も参照できる)
  • アプリ連携は10個の枠内で優先度の高いもの(Google Drive・Zoom等)に絞る
  • 3人以上のビデオ通話はZoomと使い分ける
  • チャンネルを増やしすぎず、重要な情報が流れにくい構成にする

手作業での転記が続かない場合

この運用の弱点は、人力での転記は必ず続かないという点です。忙しい時期ほど抜け落ち、そういうときの情報ほど後で必要になります。

現実的な解決策は、外部の自動化ツールをアプリ連携枠のうち1つとして組み込み、特定チャンネルの投稿やファイルを自動的にGoogleスプレッドシートやDriveへ保存させる方法です。無料プランではワークフロービルダーが使えないため、Slack外のツールに担わせる形になります。1枠を使うだけで、残り9枠は通常のアプリ連携に回せます。

この設定を実際のモジュール構成で解説したのがmake.com × Slack 自動化ガイドです。Slackのファイルをmake.com経由でGoogleドライブへ自動退避する手順を、実際の画面で紹介しています。

有料プランへの移行を検討すべきタイミング

  • 90日以前のメッセージを参照する場面が月に何度も発生している
  • Slackを開設してから1年が近づいている(削除前にアップグレードすれば全履歴が復活する)
  • 3名以上でハドルミーティングをしたい
  • 連携したいアプリが10個を超えてきた
  • ファイルストレージ5GBが埋まってきた
  • 社外パートナーとグループDMや共有チャンネルで連携したい
  • canvasやリストでプロジェクト管理まで一元化したい
💡 アップグレードの判断は「1年目」が分岐点

90日制限は不便ですが、データが残っている限りいつでも取り戻せます。しかし1年を過ぎると選択肢そのものが消えます。ワークスペース開設から1年が近い場合は、必要性を早めに判断してください。

よくある質問

Q無料プランはメッセージ履歴が消えますか?
2段階で制限がかかります。90日を過ぎると閲覧・検索ができなくなりますが、この時点ではデータは残っており、有料プランにアップグレードすれば戻ります。ただし公式のデータ保存ポリシーでは1年後に削除されるため、1年を過ぎたものは課金しても復元できません。
Q何人まで無料で使えますか?
ユーザー数に制限はなく、何名でも無料で使えます。ただしメッセージ履歴90日・アプリ10個・ハドルは2名までといった機能制限があります。
Q無料プランでワークフロー自動化は使えますか?
使えません。ワークフロービルダーはプロプラン以上の機能です。無料のまま自動化したい場合は、アプリ連携枠10個のうち1つを外部の自動化ツールに割り当てる方法があります。
Q無料プランと有料プランの最大の違いは?
メッセージ・ファイル履歴の扱いです。無料は90日分のみ閲覧可能で1年で削除されますが、Proは無制限に保存・検索できます。ハドルミーティングの人数(無料2名→Pro 50名)、アプリ連携の無制限化、ワークフロービルダーも有料からです。
Qプロプランはいくらですか?
1ユーザーあたり年払いで月額925円、月払いで月額1,050円です。無料プランからのアップグレードはいつでも可能です。

まとめ

Slackの無料プランはユーザー数無制限でチャット機能もすべて使えるため、小規模チームには十分実用的です。人数が増えても課金を迫られない点は、他のチャットツールと比べても大きな利点です。

ただし90日で見えなくなり、1年で消えるという時間の制約からは逃れられません。無料で使い続けるなら、消えて困る情報を外部に逃がす運用をセットで組んでおくことが前提になります。この運用さえ回れば、無料プランのまま長く使い続けられます。