make.comとは?基本概念を理解する

make.com(旧Integromat)は、異なるサービスをつないで繰り返しの作業を自動化できるノーコードツールです。「GmailにメールがきたらSlackに通知する」「フォームに回答があったらNotionにデータを追加する」といった処理を、プログラミングなしに設定できます。

2026年時点で3,000以上のサービスに対応しており、Gmail・Slack・Notion・Asana・Google Sheets・freee・ChatGPT(OpenAI)など、日本のビジネス現場でよく使われるツールとの連携も可能です。

最初に覚えておくべき3つの用語
  • シナリオ(Scenario):自動化の設定全体のこと。「このとき→これをする」という処理の流れ1つ分
  • モジュール(Module):各サービスとの接続部品。「Gmailからメールを受け取る」「Slackにメッセージを送る」などが各1モジュール
  • オペレーション(Operation):自動化が1回実行されたときのカウント単位(旧称:クレジット)。無料プランは月1,000オペレーションまで

無料プランでどこまでできるか

まず無料プランで試してから判断することをおすすめします。
※ 価格・プラン内容は記事確認時点の情報です。最新情報はmake.com公式サイトでご確認ください。

項目無料プランCore(月$9〜)Pro(月$16〜)
月間オペレーション数1,000回10,000回10,000回+α
シナリオ数2個無制限無制限
実行間隔15分ごと1分ごと1分ごと
チーム利用限定的
💡 無料プランで試せること

月1,000オペレーションは「1回の自動化実行が1カウント」です。1日3〜5回程度の自動化であれば無料プランで十分試せます。まず無料で2週間使ってみて、続けると判断したらCoreプランに移行するのが現実的です。

アカウント登録・初期設定

1make.comにアカウント登録する

make.com にアクセスして「Get started free」をクリックします。メールアドレスまたはGoogleアカウントで登録できます。クレジットカード登録は不要です。

💡 Googleアカウントでの登録が最速です。メールアドレスの入力やパスワード設定なしに登録できます。
2言語・タイムゾーンを設定する

右上のアカウントアイコン →「Profile」→ Language:Japanese / Timezone:Asia/Tokyo に設定して保存します。

💡 一部の設定項目は英語表記が残っています。操作に支障が出るほどではありませんが、慣れるまでは英語のまま使っても問題ありません。

最初のシナリオを作ってみる

「シナリオを作る」という操作自体に慣れることが最初の目標です。まずシンプルな2モジュール構成から始めてください。

3新しいシナリオを作成する

左メニュー「Scenarios」→「Create a new scenario」→ 画面中央の「+」をクリック → 使いたいサービスを検索して選択します。

💡 最初に試すなら「Googleフォーム → Gmail」がおすすめです。どちらもGoogleアカウントで認証できるため、接続設定が最もスムーズです。
4モジュールを設定・接続する

モジュール(丸いアイコン)をクリックして設定画面を開きます。「どのアカウントと接続するか」を認証して、「どのデータを取得・送信するか」を指定します。複数のモジュールを追加する場合は、前のモジュールの右側「+」から次のモジュールを追加します。

💡 モジュール間のデータ受け渡しは「マッピング」と呼びます。前のモジュールから取得したデータ(フォームの回答者名など)を、次のモジュールの入力欄に埋め込む操作です。ここが最初に慣れるまで少し時間がかかる場所です。
5テスト実行して動作を確認する

画面下部「Run once」をクリックするとシナリオが1回だけ実行されます。各モジュールの処理結果が表示されるので、意図通りに動いているか確認します。問題なければ左上のトグルをONにして有効化します。

💡 本番稼働前に必ず「Run once」でテスト実行してください。特にメール送信・データ書き込みを含むシナリオは、テストなしで有効化すると意図しない送信・書き込みが発生します。

実践シナリオ5選

中小企業ですぐ使えるシナリオを5つ紹介します。難易度を目安に、シンプルなものから始めることをおすすめします。

シナリオ01問い合わせフォームの内容をSlackに自動通知する
Googleフォーム 回答あり → make.com → Slack #問い合わせ に通知

Webサイトのお問い合わせフォームに回答があると、担当者のSlackチャンネルにリアルタイムで通知が届きます。メールの確認漏れを防げます。

難易度:低 設定時間の目安:30分
シナリオ02Asanaのタスクが完了したらSlackに通知する
Asana タスク完了 → make.com → Slack チャンネルに通知

Asanaでタスクのステータスが「完了」になると、指定したSlackチャンネルに自動通知が届きます。進捗をSlackだけで確認できるようになります。

難易度:低 設定時間の目安:20分
シナリオ03GoogleスプレッドシートのデータをNotionに自動同期する
Googleスプレッドシート 新規行 → make.com → Notionデータベースに追加

スプレッドシートに新しい行が追加されると、Notionのデータベースに自動でレコードが追加されます。「入力はスプレッドシート・管理はNotion」という使い分けができます。

難易度:中 設定時間の目安:40分
シナリオ04毎朝Slackにその日のタスク一覧を自動送信する
スケジュール(毎朝9時)→ make.com → Notion/Asanaから当日タスク取得 → Slack DM送信

毎朝9時に、今日が期限のタスクをSlackに自動送信します。担当者が自分でツールを開かなくても、やることリストが届く仕組みです。

難易度:高 設定時間の目安:60〜90分
シナリオ05Googleフォームの回答者に自動返信メールを送る
Googleフォーム 回答 → make.com → 回答者にGmail自動返信 + 担当者に通知

フォームに回答があると、回答者に確認メールを自動送信し、担当者にも同時に通知します。Gmailのデフォルト機能より柔軟な条件設定とテンプレートが使えます。

難易度:中 設定時間の目安:30〜40分

実際に使ってみた感想

💬 実際に操作してみた感想

Zapierと比べてmake.comはビジュアルが直感的で、複数のモジュールをつないでいく「シナリオ画面」はフローチャートを見るような感覚で操作できます。シンプルな2サービス間の連携はZapierの方が素早く設定できますが、条件分岐・ループ・データ変換が必要な複雑な自動化はmake.comの方が柔軟に設計できます。

エラーが起きたときのデバッグはmake.comの方がやりやすいと感じました。どのモジュールで何のエラーが起きたかが画面で視覚的にわかるため、問題の特定が速いです。一方、最初のシナリオを作るまでに「モジュール間のマッピング(データの受け渡し)」の概念を理解する時間が必要で、Zapierと比べると慣れるまでに少し時間がかかりました。

スマートフォンでの操作:モバイルアプリはシナリオの実行状況の確認には使えますが、シナリオの作成・編集はPCブラウザで行う方がはるかに快適です。

よくあるつまずきポイント

⚠️ つまずき①:マッピングの概念がわかりにくい

前のモジュールで取得したデータを次のモジュールに渡す「マッピング」操作が、最初は直感的に理解しにくいです。入力欄をクリックすると前のモジュールのデータ一覧が表示されるので、使いたいデータを選んでクリックするだけですが、「どのデータが何を意味するか」の把握に慣れが必要です。対応策:まずシナリオ01(フォーム→Slack通知)のように、マッピングが最小限で済む構成から始めてください。

⚠️ つまずき②:テストなしで有効化してメールが大量送信された

「Run once」でのテスト確認を省略して有効化すると、意図しないメール送信やデータ書き込みが発生することがあります。特に過去のデータを一括処理するシナリオは注意が必要です。対応策:必ず「Run once」で1件だけテスト実行してから有効化してください。

⚠️ つまずき③:無料プランのオペレーション数を使い切ってしまった

月1,000オペレーションを超えると自動化が止まります。複数のシナリオを同時に動かしていると思ったより早く上限に達することがあります。対応策:make.comの管理画面「Dashboard」でオペレーション使用量を定期的に確認してください。上限に近づいたらシナリオの実行頻度を下げるか、有料プランへの移行を検討します。

⚠️ つまずき④:APIキー・認証情報の管理

make.comにはGoogleアカウント・Slackアカウント・各種APIキーなどを登録します。退職者のアカウントが接続されたままになるケースがあるため、定期的に「Connections」の設定を確認することをおすすめします。

Zapierとの比較:どちらを選ぶべきか

※ 価格は記事確認時点の情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

比較項目make.comZapier
無料プラン月1,000オペレーション月100タスク
有料プラン最安月$9〜月$19.99〜
複雑な自動化◎(条件分岐・ループ強い)△(シンプルな連携向き)
初心者の使いやすさ△(慣れが必要)○(設定しやすい)
対応サービス数3,000以上9,000以上
エラーのデバッグ○(視覚的にわかりやすい)

一言でまとめると、シンプルな2サービス間の連携・初めて自動化ツールを使う場合はZapier、条件分岐や複数ステップの複雑な自動化・コストを抑えたい場合はmake.comが向いています。どちらも無料プランで試せるので、実際に触ってみてから判断するのがおすすめです。

よくある質問

Qmake.comは無料で使えますか?
はい、月1,000オペレーションまで無料で使えます。シンプルな自動化1〜2個であれば無料プランで十分試せます。使用量が増えてきたらCoreプラン(月$9〜)を検討してください。
Qmake.comとZapierはどちらがおすすめですか?
シンプルな2サービス間の連携ならZapierが設定しやすいです。条件分岐・ループ・データ変換が必要な複雑な自動化ならmake.comが向いています。料金面でもmake.comの方が安い傾向があります。
Qプログラミングの知識がなくても使えますか?
基本的な自動化はプログラミング知識なしに設定できます。ただし複雑な条件設定やデータ変換には慣れが必要で、まずシンプルなシナリオ(フォーム→Slack通知など)から始めることをおすすめします。
Qmake.comで日本語は使えますか?
管理画面は日本語に対応しています。ただし一部の設定項目や説明文は英語表記が残っています。操作に支障が出るほどではなく、実際の使用で大きな問題になるケースは少ないです。
Q最初にどのシナリオから試せばいいですか?
「Googleフォームの回答があったらSlackに通知する」が最も設定しやすくおすすめです。GoogleアカウントとSlackさえあれば始められ、マッピングも最小限で済むため、make.comの操作感を掴むのに適しています。設定時間の目安は30分程度です。

まとめ

make.comは「繰り返しの手作業を自動化したい」というニーズに応えられるツールです。最初の1〜2時間は操作に慣れる時間として必要ですが、一度シナリオを作れるようになると、業務効率化の選択肢が大幅に広がります。

まず今日、シナリオ01「Googleフォーム→Slack通知」を設定してみてください。30分で完成し、make.comの基本的な操作感を掴むのに最適です。さらに実践的な自動化事例はmake.com 自動化事例10選もあわせてご覧ください。

今日やること
  • make.comに無料登録する(クレカ不要・5分で完了)
  • シナリオ01「Googleフォーム→Slack通知」を作ってみる
  • 「Run once」でテスト実行して動作を確認する
make.comを無料で試すべき理由
  • クレカ登録不要:メールアドレスだけで登録できて、費用は一切かかりません
  • 月1,000オペレーション無料:1日3〜5回の自動化なら無料プランで十分試せます
  • シナリオは削除しなければ残る:無料期間が終わっても設定が消えないため、有料化後すぐ再開できます
  • 30分で最初の自動化が完成する:シナリオ01「フォーム→Slack通知」は今日中に動かせます

※ 価格・プラン内容は記事確認時点の情報です。最新情報はmake.com公式サイトでご確認ください。