製品ラインナップと向いている人

弥生株式会社の会計ソフトは、対象によって製品が分かれています。個人事業主向けは確定申告に特化した「やよいの青色申告」シリーズ法人向けは決算書作成に対応した「弥生会計」シリーズ(クラウド型の弥生会計 Next、デスクトップ型の弥生会計)です。日本で最も長い歴史を持つ会計ソフトの一つで、税理士・会計士への普及率が高く、顧問税理士がいる場合にデータ共有がしやすい点が全シリーズ共通の強みです。

「やよいの青色申告」シリーズにもクラウド型(オンライン)デスクトップ型があります。この記事では導入しやすいクラウド版「やよいの青色申告 オンライン」を解説します。

なお、白色申告で済ませたい方には別製品の「やよいの白色申告 オンライン」があります。ただし青色申告なら最大65万円の特別控除が受けられるため、これから始めるなら青色申告を選ぶほうが有利なケースがほとんどです。

やよいの青色申告 オンラインが向いている人・向いていない人
  • 向いている:初年度のコストを0円に抑えて、実際に申告まで試してから判断したい方
  • 向いている:顧問税理士がいて弥生データでやり取りしたい個人事業主
  • 向いている:従来の簿記・複式帳簿の概念で操作したい方
  • 向いている:Excelからの移行・既存の経理フローを大きく変えたくない
  • 向いていない:スマホだけで申告まで完了したい(申告書の作成にはPCが必要)
  • 向いていない:会計・給与・経費を1つのサービスにまとめたい(→ freeeやマネーフォワードが向いている)
  • 対象外:法人の決算書作成が必要な方(→ 弥生会計 Nextなど法人向け製品が必要)

料金プランと初年度0円キャンペーン

やよいの青色申告 オンラインには3つのプランがあります。現在、セルフプランとベーシックプランは初年度0円、トータルプランは初年度半額のキャンペーンが実施されています。

※ 価格は2026年9月4日に確認した情報です(すべて税抜)。最新情報は弥生公式サイトでご確認ください。

プラン初年度2年目以降サポート
セルフ0円11,800円/年(月983円相当)なし
ベーシック初年度はこれ0円22,800円/年(月1,900円相当)10回まで電話・メール・チャット
トータル19,800円(半額)39,600円/年回数無制限+業務相談

🗓 初年度無償キャンペーンは2027年3月15日までの申込分が対象で、決済方法(口座振替またはクレジットカード)の登録が条件です。1事業者につき1回のみ。変更の可能性があるため最新は公式サイトでご確認ください。

💡 初年度はベーシックプランを選ぶのが合理的です

セルフとベーシックは機能が完全に同じで、違いは操作サポートの有無だけです。そして初年度はどちらも0円。つまり同じ金額でサポートが付くベーシックのほうが有利です。プランは後から変更できるので、2年目にサポートが不要だと分かればセルフ(11,800円/年)へ下げられます。逆に初年度セルフで始めて困った場合、サポートを受けるには途中でプラン変更が必要になります。

⚠️ 「無料体験プラン」とは別物です

やよいの青色申告 オンラインには最大2か月間の「無料体験プラン」もありますが、こちらは決算・申告機能が使えず、日々の記帳しかできません。確定申告まで通して試したい場合は、初年度無償キャンペーンで申し込んでください。1年間、全機能を制限なく使えます。

🟢 やよいの青色申告 オンライン

セルフ・ベーシックプランは初年度0円。2027年3月15日までの申込分が対象です。1年間かけて実際に確定申告まで済ませてから、続けるかどうかを決められます。

初年度0円で申し込む →

※ 決済方法の登録が必要です(初年度は請求されません)

初期設定をする

1事業所情報を設定する

やよいの青色申告 オンラインにログイン後、「事業所設定」→ 事業所名・事業年度の開始月・業種・消費税の課税区分(課税事業者 or 免税事業者)を設定します。

💡 事業年度と消費税の設定は最初に正確に入力してください。後から変更すると過去データとの整合が取りにくくなります。わからない場合は顧問税理士に確認してから設定することをおすすめします。
2勘定科目を確認・カスタマイズする

「設定」→「勘定科目」→ 初期設定では業種に合わせた標準科目が登録されています。自分がよく使う科目を確認し、不要な科目は非表示にしておくと入力時に選びやすくなります。

💡 よく使う勘定科目の例

売上高・仕入高・給料手当・地代家賃・通信費・消耗品費・接待交際費・旅費交通費。業種によって使う科目は異なりますが、最初は標準科目のまま使い始めて、実際に困ったときに追加・変更する方針が現実的です。

日常の帳簿入力

3取引を入力する(簡単入力)

「取引の入力」→「簡単入力」→ 日付・取引の種類(売上 / 支出など)・金額・勘定科目を入力して「登録」をクリックします。複式簿記の知識がなくても入力できる「簡単入力」モードと、借方・貸方を直接入力する「仕訳入力」モードの両方が使えます。

💡 簿記の知識がない方は「簡単入力」から始めてください。「○月○日に▲▲円の売上があった」「○月○日に交通費▲▲円を支払った」という形で入力するだけで、自動的に仕訳が生成されます。日々の入力はスマホアプリからも可能です。

銀行口座・クレジットカードの連携

4口座を連携して取引を自動取得する

「口座の連携」→ 金融機関を検索して選択 → 認証情報を入力して連携完了。連携後は銀行の入出金・クレジットカードの利用明細が自動で取り込まれ、勘定科目を選択するだけで仕訳が完成します。

💡 連携できる主な金融機関:メガバンク・ゆうちょ銀行・地方銀行・信用金庫・PayPay銀行・楽天銀行など。主要クレジットカードにも対応しています。連携できない金融機関の場合はCSVで取引データをインポートできます。

青色申告・確定申告書の作成

5決算・確定申告書を作成する

「決算・申告」→「青色申告決算書」→ 1年間の取引入力が完了していれば、損益計算書・貸借対照表・青色申告決算書が自動生成されます。e-Taxへのデータ連携または印刷して税務署に提出できます。

⚠️ 申告書の作成にはパソコンが必要です

日々の取引入力はスマホアプリでもできますが、青色申告決算書・確定申告書の作成はパソコンのブラウザからの操作が必要です。申告の時期はパソコンを使える環境を確保しておいてください。

⚠️ 決算書の作成前に取引の入力漏れがないか確認してください

年末に取引の入力漏れが見つかると修正に時間がかかります。月次で入力を完了させる習慣をつけておくと確定申告の時期に慌てずに済みます。

🟢 申告の直前ではなく、早めに始めるのが確実です

確定申告は1年分の取引をまとめて入力する作業なので、直前に始めると間に合わないことがあります。初年度0円のうちに口座連携まで済ませておけば、あとは月次で確認するだけになります。

やよいの青色申告を初年度0円で始める →

調べてわかったこと

💬 公式情報を精査してわかったこと

プラン選びについて:公開情報を突き合わせると、セルフとベーシックは機能が同一で、差は操作サポートのみでした。初年度はどちらも0円になるため、価格差がない状態でサポートの有無だけが変わることになります。プラン選びのページではこの点が目立たないため、セルフを選んでしまう方が多いのではないかと感じました。

「簡単入力」モードについて:売上・支出・振替の3パターンで入力できる設計で、簿記の知識がなくても使える仕組みになっています。銀行口座と連携すれば、明細を確認して勘定科目を選ぶだけで仕訳が完成する設計です。

スマホ対応について:「スマホ対応」と書かれていても、できるのは日々の記帳までです。申告書の作成はPC必須という制約は、申し込む前に知っておいたほうがよい情報だと思います。

税理士連携について:弥生は税理士・会計事務所への普及率が高く、顧問税理士がいる事業者にとってはデータ共有のしやすさが強みです。

よくあるつまずきポイント

⚠️ つまずき①:勘定科目の選び方がわからない

「この支出はどの科目に入れればいいか」で迷うことが最初は多いです。対応策:弥生のサポートサイトに勘定科目の選び方に関する解説があるので参照してください。判断に迷う場合は税理士に確認した方が確実です。後から科目を変更することは可能ですが、申告後の変更は困難です。ベーシックプラン以上なら、この種の質問をサポートに直接聞けます。

⚠️ つまずき②:消費税の設定を間違えると後の修正が大変

課税事業者・免税事業者の設定を間違えると、消費税の処理が全ての仕訳に影響します。インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をしている場合は課税事業者です。設定前に自分の消費税の状況を確認するか、税理士に相談してから設定してください。

⚠️ つまずき③:キャンペーンの適用条件を見落とす

初年度無償キャンペーンは、決済方法(口座振替またはクレジットカード)の登録が条件です。登録しないまま使い始めると対象外になる可能性があります。また1事業者につき1回限りで、2027年3月15日までの申込分が対象です。

freee・マネーフォワードとの比較

個人事業主向けの主要3ソフトを比較します。初年度のコストで見ると、やよいの青色申告が明確に有利です。

※ 価格は2026年9月4日に確認した情報です(すべて税抜・年払い時の最安プラン)。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

比較項目やよいの青色申告
オンライン
freeeマネーフォワード
初年度の費用0円セルフ・ベーシック980円/月〜900円/月〜
2年目以降(最安)983円/月相当11,800円/年980円/月〜900円/月〜
無料で試せる期間1年間全機能・申告まで可30日間1ヶ月
向いている人初年度の費用を抑えたい・税理士連携簿記知識ゼロ・スマホ中心複数口座の自動連携・料金重視
スマホでの申告記帳のみ・申告はPC
税理士との連携◎(実績多数)
自動仕訳精度
UI・デザインやや古めモダンモダン

🗓 価格確認日:2026年9月4日(弥生公式・freee公式・マネーフォワード公式サイトで確認)。変更の可能性があるため最新は各公式サイトでご確認ください。

2年目以降の料金はほぼ横並びなので、実質的な差は「初年度に1年間まるごと無料で試せるかどうか」です。freeeとマネーフォワードは30日または1ヶ月の無料期間しかなく、確定申告を通して体験することはできません。逆にスマホだけで完結させたい方はfreeeを検討してください。

個人事業主向けのfreeeとマネーフォワードの比較はfreee vs マネーフォワード 個人事業主向け比較で解説しています。

よくある質問

Qやよいの青色申告 オンラインは無料で使えますか?
無料で使う方法は2つあります。1つは初年度無償キャンペーンで、セルフプランとベーシックプランが契約初年度の1年間0円になります(2027年3月15日までの申込分が対象、決済方法の登録が条件)。確定申告まで通して使えるのはこちらです。もう1つは無料体験プランで、最大2か月間試せますが決算・申告機能は使えず、日々の記帳のみとなります。
Qセルフプランとベーシックプランはどちらを選ぶべきですか?
初年度に限ればベーシックプランがおすすめです。2つのプランは機能が完全に同じで、違いは操作サポートの有無だけです。ベーシックは契約期間中10回まで電話・メール・チャットのサポートを利用できます。初年度無償キャンペーンではどちらも0円のため、同じ金額でサポートが付くベーシックのほうが有利です。2年目以降はセルフ11,800円・ベーシック22,800円と差が出るので、サポートが不要になればセルフへ変更できます。
Qやよいの青色申告 オンラインで青色申告できますか?
はい、1年間の帳簿入力が完了していれば、青色申告決算書・確定申告書を自動作成できます。個人事業主の確定申告に特化したソフトのため、必要な書類を一括で作成できます。e-Taxへのデータ連携または印刷して提出できます。
Qスマホだけで確定申告まで完了できますか?
完結しません。スマホアプリで日々の取引入力はできますが、青色申告決算書・確定申告書の作成にはパソコンのブラウザが必要です。日々の記帳はスマホ、申告作業はパソコンという使い分けになります。スマホだけで完結させたい場合はfreeeを検討してください。
Q簿記の知識がなくても使えますか?
「簡単入力」モードを使えば、売上・支出などの取引を日常語で入力でき、仕訳は自動で生成されます。ただし消費税の設定や勘定科目の選択など、基本的な会計知識が必要な場面もあります。不安な場合はサポート付きのベーシックプラン以上を選ぶか、顧問税理士と一緒に初期設定することをおすすめします。
Q2年目以降も使い続ける必要がありますか?
自動更新の停止手続きをすれば解約できます。ただし解約後は申告データの閲覧に制限がかかるため、必要な帳簿・申告書は事前に出力しておいてください。青色申告をしている場合、帳簿書類には保存義務があります。

まとめ

やよいの青色申告 オンラインは、個人事業主の確定申告に特化したクラウド会計ソフトです。最大の利点は、初年度0円で1年間まるごと試せること。freeeやマネーフォワードの無料期間は30日または1ヶ月なので、確定申告を実際に通してから判断できるのはやよいだけです。

初年度はセルフとベーシックが同額(0円)で機能も同一のため、サポートが付くベーシックを選んでおくのが合理的です。2年目に不要と判断すればセルフへ下げられます。スマホだけで申告まで完了したい場合や、モダンなUIを重視する場合はfreeeのほうが向いています。

まとめ:こんな人に向いています
おすすめ初年度の費用を0円に抑えて、確定申告まで通して試したい方
おすすめ顧問税理士がいて弥生データでやり取りしている個人事業主
おすすめ従来型の帳簿入力スタイルを維持したい・Excelからの移行
要検討スマホだけで申告まで完了したいならfreeeが向いている

※ 本記事はアフィリエイトリンクを含みます。価格・プラン・キャンペーン内容は記事確認時点の情報です。申込前に公式サイトで最新の条件をご確認ください。