make.comとは?基本概念を理解する
make.com(旧Integromat)は、異なるサービスをつないで繰り返しの作業を自動化できるノーコードツールです。「GmailにメールがきたらSlackに通知する」「フォームに回答があったらNotionにデータを追加する」といった処理を、プログラミングなしに設定できます。
2026年時点で2,000以上のサービスに対応しており、Gmail・Slack・Notion・Asana・Google Sheets・freee・ChatGPT(OpenAI)など、日本のビジネス現場でよく使われるツールとの連携も可能です。
※ 対応サービス数は2026年8月5日にmake.com公式サイトで確認した情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
料金プランの詳細やZapierとの違いをもう少し詳しく知りたい方は、先にmake.comとは?できること・料金・Zapierとの違いを解説を読んでおくと、この後の手順がより理解しやすくなります。
- シナリオ(Scenario):自動化の設定全体のこと。「このとき→これをする」という処理の流れ1つ分
- モジュール(Module):各サービスとの接続部品。「Gmailからメールを受け取る」「Slackにメッセージを送る」などが各1モジュール
- クレジット(Credit):自動化が実行されたときのカウント単位(旧称:オペレーション)。1回の実行で、通過したモジュールの数だけ消費します。無料プランは月1,000クレジットまで
make.comは実行単位の呼称を「オペレーション(Operation)」から「クレジット(Credit)」に変更しています。他サイトの解説記事や少し前の情報では旧称のままのことがありますが、指しているものは同じです。
無料プランでどこまでできるか
まず無料プランで試してから判断することをおすすめします。
※ 価格・プラン内容は2026年8月14日時点の情報です。最新情報はmake.com公式サイトでご確認ください。
| 項目 | 無料プラン | Core(月$9〜) | Pro(月$16〜) |
|---|---|---|---|
| 月間クレジット数 | 1,000 | 10,000 | 10,000+α |
| 同時に動かせるシナリオ数※作成数の上限ではありません | 2個まで | 無制限 | 無制限 |
| 最短の実行間隔 | 15分ごと | 1分ごと | 1分ごと |
| チーム利用 | ✗ | 限定的 | ✔ |
月1,000クレジットは、3モジュール構成のシナリオなら約330回分にあたります。1日3〜5回程度の自動化なら十分足ります。
それより先に当たるのが同時に有効化できるシナリオが2つまでという制限です。シナリオを作ること自体に制限はないため、3つ目以降は「作っておいて無効化」しておき、必要な時期だけ入れ替える運用になります。この切り替えが手間に感じ始めたら、有料プランを検討するタイミングです。
アカウント登録・初期設定
make.com にアクセスして「Get started free」をクリックします。メールアドレスまたはGoogleアカウントで登録できます。クレジットカード登録は不要です。
右上のアカウントアイコン →「Profile」→ Language:Japanese / Timezone:Asia/Tokyo に設定して保存します。
ここまで5分。次はいよいよ最初のシナリオ作成です →
まだ登録していない方はこちら →最初のシナリオを作ってみる
「シナリオを作る」という操作自体に慣れることが最初の目標です。まずシンプルな2モジュール構成から始めてください。
左メニュー「Scenarios」→「Create a new scenario」→ 画面中央の「+」をクリック → 使いたいサービスを検索して選択します。
モジュール(丸いアイコン)をクリックして設定画面を開きます。「どのアカウントと接続するか」を認証して、「どのデータを取得・送信するか」を指定します。複数のモジュールを追加する場合は、前のモジュールの右側「+」から次のモジュールを追加します。
画面下部「Run once」をクリックするとシナリオが1回だけ実行されます。各モジュールの処理結果が表示されるので、意図通りに動いているか確認します。問題なければ左上のトグルをONにして有効化します。
無料プランで同時に有効化できるのはここまで含めて2つまでです(月1,000クレジット)。この後の実践シナリオ5選を全部並行して動かしたくなったら、その時がCoreプラン(月$9〜)を検討するタイミングになります。まずは無料の範囲で1〜2週間、2つのシナリオを回してみてください。
次の実践シナリオに進む →実践シナリオ5選
中小企業ですぐ使えるシナリオを5つ紹介します。難易度を目安に、シンプルなものから始めることをおすすめします。無料プランで同時に動かせるのは2つまでなので、自社にとって効果が大きいものから順に着手してください。
Webサイトのお問い合わせフォームに回答があると、担当者のSlackチャンネルにリアルタイムで通知が届きます。メールの確認漏れを防げます。
難易度:低 設定時間の目安:30分編集部で動作確認済みAsanaでタスクのステータスが「完了」になると、指定したSlackチャンネルに自動通知が届きます。進捗をSlackだけで確認できるようになります。
難易度:低 設定時間の目安:20分編集部で動作確認済みスプレッドシートに新しい行が追加されると、Notionのデータベースに自動でレコードが追加されます。「入力はスプレッドシート・管理はNotion」という使い分けができます。
難易度:中 設定時間の目安:40分毎朝9時に、今日が期限のタスクをSlackに自動送信します。担当者が自分でツールを開かなくても、やることリストが届く仕組みです。1日1回の実行なのでクレジット消費が少なく、常時稼働させておきやすいシナリオです。
難易度:高 設定時間の目安:60〜90分フォームに回答があると、回答者に確認メールを自動送信し、担当者にも同時に通知します。Gmailのデフォルト機能より柔軟な条件設定とテンプレートが使えます。
難易度:中 設定時間の目安:30〜40分特定のサービスとの連携手順をもっと詳しく知りたい場合は、個別の連携ガイドもあわせてご覧ください。Zoho CRM連携は公式モジュールがあり設定が容易、Slack連携はWebhookベースの即時トリガーに対応、freee経費精算連携はHTTPモジュール+OAuthの手動設定が必要な上級者向けです。
実際に使ってみた感想
Zapierと比べてmake.comはビジュアルが直感的で、複数のモジュールをつないでいく「シナリオ画面」はフローチャートを見るような感覚で操作できます。シンプルな2サービス間の連携はZapierの方が素早く設定できますが、条件分岐・ループ・データ変換が必要な複雑な自動化はmake.comの方が柔軟に設計できます。
エラーが起きたときのデバッグはmake.comの方がやりやすいと感じました。どのモジュールで何のエラーが起きたかが画面で視覚的にわかるため、問題の特定が速いです。一方、最初のシナリオを作るまでに「モジュール間のマッピング(データの受け渡し)」の概念を理解する時間が必要で、Zapierと比べると慣れるまでに少し時間がかかりました。
スマートフォンでの操作:モバイルアプリはシナリオの実行状況の確認には使えますが、シナリオの作成・編集はPCブラウザで行う方がはるかに快適です。
よくあるつまずきポイント
前のモジュールで取得したデータを次のモジュールに渡す「マッピング」操作が、最初は直感的に理解しにくいです。入力欄をクリックすると前のモジュールのデータ一覧が表示されるので、使いたいデータを選んでクリックするだけですが、「どのデータが何を意味するか」の把握に慣れが必要です。対応策:まずシナリオ01(フォーム→Slack通知)のように、マッピングが最小限で済む構成から始めてください。
「Run once」でのテスト確認を省略して有効化すると、意図しないメール送信やデータ書き込みが発生することがあります。特に過去のデータを一括処理するシナリオは注意が必要です。対応策:必ず「Run once」で1件だけテスト実行してから有効化してください。
無料プランで同時に有効化できるシナリオは2つまでです。3つ目のトグルをONにできない場合は上限に達しています。対応策:使っていないシナリオを無効化して枠を空けるか、Core以上の有料プランに移行してください。シナリオの設定自体は無効化しても消えないため、後から再開できます。
月1,000クレジットを超えると自動化が止まります。1回の実行で通過したモジュールの数だけ消費するため、モジュール数の多いシナリオや実行頻度の高いシナリオは思ったより早く上限に達します。対応策:make.comの管理画面「Dashboard」で使用量を定期的に確認してください。上限に近づいたら実行頻度を下げるか、有料プランへの移行を検討します。
make.comにはGoogleアカウント・Slackアカウント・各種APIキーなどを登録します。退職者のアカウントが接続されたままになるケースがあるため、定期的に「Connections」の設定を確認することをおすすめします。
Zapierとの比較:どちらを選ぶべきか
※ 価格は記事確認時点の情報です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
| 比較項目 | make.com | Zapier |
|---|---|---|
| 無料プラン | 月1,000クレジット | 月100タスク |
| 有料プラン最安 | 月$9〜 | 月$19.99〜 |
| 複雑な自動化 | ◎(条件分岐・ループ強い) | △(シンプルな連携向き) |
| 初心者の使いやすさ | △(慣れが必要) | ○(設定しやすい) |
| 対応サービス数 | 2,000以上 | 9,000以上 |
| エラーのデバッグ | ○(視覚的にわかりやすい) | △ |
一言でまとめると、シンプルな2サービス間の連携・初めて自動化ツールを使う場合はZapier、条件分岐や複数ステップの複雑な自動化・コストを抑えたい場合はmake.comが向いています。どちらも無料プランで試せるので、実際に触ってみてから判断するのがおすすめです。料金プランの詳しい内訳(Free〜Enterpriseの5段階)はmake.comとは?料金・Zapierとの違いで解説しています。
よくある質問
まとめ
make.comは「繰り返しの手作業を自動化したい」というニーズに応えられるツールです。最初の1〜2時間は操作に慣れる時間として必要ですが、一度シナリオを作れるようになると、業務効率化の選択肢が大幅に広がります。
まず今日、シナリオ01「Googleフォーム→Slack通知」を設定してみてください。30分で完成し、make.comの基本的な操作感を掴むのに最適です。さらに実践的な自動化事例はmake.com 自動化事例10選もあわせてご覧ください。
- make.comに無料登録する(クレカ不要・5分で完了)
- シナリオ01「Googleフォーム→Slack通知」を作ってみる
- 「Run once」でテスト実行して動作を確認する
- まず無料で問題ありません:クレカ登録不要・月1,000クレジットまで無料で、1日3〜5回の自動化なら十分試せます
- 設定は消えません:シナリオを無効化しても設定は残るため、有料化後すぐ再開できます
- 判断の分岐点は「2つで足りるか」:常時動かしたいシナリオが3つ以上になったら、Core以上(月$9〜)を検討するタイミングです
- 切り替え運用が手間になったら:都度シナリオを有効化・無効化する運用は、切り替え忘れによる「動いているはずが止まっていた」の原因になります
※ 本記事はアフィリエイトリンクを含みます。価格・プラン内容は記事確認時点の情報です。最新情報はmake.com公式サイトでご確認ください。